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ビタミンB12が不足すると認知症になる? [健康]

先日放送されたNHKの番組「総合診療医ドクターG」で、

「ビタミンB12欠乏症による認知症」
が紹介されていました。


ビタミンB12が不足すると認知症になるなんて、一般にはほとんど知られていないので、とても良いテーマだと思いました。

番組内で紹介された患者さんは、以下のような方でした。

・60代の女性で、市議会議員を務めていた。
・市議会議員を務めるような方なので、とてもしっかりした方だった。
・3か月ほど前から様子がおかしくなり、長年の知り合いの顔や名前が思い出せなくなったり、洗濯物を持って2階に上がろうとしたときに、倒れこんでしまったりした。
・些細なことで感情がたかぶったり、おかしなことを言うようになったので、心配した秘書が一緒に来院した。

このような症状の場合まず疑われるのは、アルツハイマーやパーキンソン病、レビー小体型認知症、脳血管性認知症などです。

しかしこれらの疾患は、比較的ゆっくりと症状が進行するのが特徴で、この方のように数か月で症状が一気に進行することはあまりないため、除外されました。

付き添いでみえた秘書の方の話などを聞いていくうちに、あとから来た娘さんのお話から、1つの重要な病歴が明かされました。

実はこの患者さんは、10年ほど前に

「胃がんのために、胃の全摘出手術」

を受けていたのです。

この事実が分かったところから、病気の原因が一気に突き止められていきました。

ビタミンB12は、肉などに多く含まれるビタミンです。
毎日必要な量は微量なうえ、肝臓に蓄えられていることで、個人差はあるにしろ5年以上は体内の備蓄量でまかなえてしまうということでした。

また、ビタミンB12が吸収されるには、胃から出る「内因子」というものが必要で、いくら食事で補っても胃をすべて摘出してしまっていたこの患者さんは、食事によるビタミンB12の補給が出来ていなかったのです。

結果として、胃の全摘出手術後、体内に蓄えていたビタミンB12を使い切ってしまったことによって
「ビタミンB12が不足したことによる認知症」
を発症してしまったのでした。

ビタミンB12が不足すると、

・だるさ、めまい
・動悸、息切れ
・悪性貧血
・ハンター舌炎
・認知症

などを発症する恐れがあります。

完全菜食主義者でない限り、日常の食事で十分に補給できます。
しかし、この女性のように胃の手術を受けた方や高齢の方で胃の機能が低下している方は、食事からの吸収が不十分になってしまう場合もあります。

この場合は、欠乏したビタミンを注射などで補うことになります。
今回の患者さんは、ある程度の回復は出来ましたが、完全に認知症を改善することは出来なかったそうです。

やはり、早期発見と適切な処置が必要になるため、ご家族の存在が大切になってきます。

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