ノーベル賞を受賞された天野教授が次に目指していらっしゃるのは、水道水などの飲み水に対しての殺菌効果や、皮膚治療や人工透析装置への活用、樹脂の硬化や接着などの工業分野での活用が見込まれる深紫外線LEDの開発と量産化だそうです。
今日、TBS系列の番組「夢の扉」で紹介されていましたのでご紹介します。
番組内では、この深紫外線LEDをパンに照射すると、カビの発生が抑えられる様子が紹介されていました。
深紫外線LEDが安価に量産できれば、多くの蛇口に取り付けることが出来て水道水を殺菌することが出来ます。
日本のように安全な飲み水を簡単に入手できる国や地域は、実は世界的に少なく発展途上国などでは感染症などの病気が蔓延する原因になっています。
このようなことが可能になれば、不衛生な飲み水によって不幸にも命を落としてしまう人、特に子供の命を守ることにつながるでしょう。
このような天野教授の次なる目標、深紫外線LEDの開発研究をになっているのが、フランス人の研究者・ペルノシリルさんです。
フランスの大学で物理学を専攻され、16年間にわたって日本で研究を続けられている方です。
現在は日機装という会社に所属されていて、名城大学内にある日機装名古屋開発分室で深紫外線LEDの研究開発に携わっていらっしゃいます。
番組内ではペルノシリルさんの、日常やご家族との触れ合いも紹介されていましたが、朝お子さんを幼稚園に送って行ったり、お休みの日にはご家族とフランスの家庭料理を作ったりと良いお父さんといった感じで微笑ましかったです。
部下の方にシリルさんの印象を伺ったインタビューもありましたが、常に優しく穏やかな上司で研究熱心な方だと皆さんおっしゃっていました。
お顔もまさにその性格が反映されたような優しげな目元で、はにかむようなしゃべり方といいジェントルマンといった印象です。
ペルノシリルさんによれば、深紫外線LEDの作り方はピザ作りに似ているそうです。
ピザは生地の上にトマトソースを広げて、具材を乗せたら釜で焼きますよね?
深紫外線LEDも、円い人工サファイヤ(生地)に各種の鉱物(ソース・具材)を吹き付けて高温で熱するそうです。
そういう工程を、ピザに例えていらっしゃいました。
ただ、この製造工程は非常にシビアで、条件がうまく整わないと表面がひび割れてしまい、使い物にならないそうです。
1回に3時間かかるこの工程を、年に約2000回も行うというのですから、その熱心な努力は想像にかたくありません。
数えきれないほどの失敗と調節の繰り返し、それでもシリルさんは
「開発したものを人に使ってもらうのが何よりも幸せ」
とはにかむような笑顔で控えめに語っていらっしゃいました。
「殺菌するLEDで世界に安全な水を」
ノーベル賞の次なる夢を掲げる天野浩教授。
世界初となる深紫外線LEDの量産工場のある石川県の日機装白山工場で、精密機器を作る工場で使われる960個のLEDから強力な紫外線を出す画期的な装置が完成した現場に立ち会われた天野教授は
「これはすごいですよ!」
と目を輝かせていらっしゃいました。
天野教授とペルノシリルさん、お二人の開発された深紫外線LEDが世界中の人々に役に立っていくことは間違いなく、今後のご活躍をお祈り申し上げます。
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